~医療の知恵~ 「胆嚢ポリープ」

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今回から「医療の知恵」が始まりました。
これは当院の医師が、皆さんに知っておいてもらいたいと思う医療に関する情報を発信するものです。

私の専門は胆道・膵臓疾患です。皆さんの中には健診で胆嚢ポリープと言われた方もいると思います。そこで、「医療の知恵」第1回は胆嚢ポリープを取り上げました。

胆嚢ポリープとは概ね20mm以下の胆嚢の中に出来る小隆起性病変の総称です。基本的に症状はありませんので、腹部エコー検査で偶然見つかることが大半です。胆嚢ポリープには癌から全くの良性疾患までいろいろの疾患が含まれます。ポリープと聞いてびっくりする方も多いのですが、実は胆嚢ポリープの大半は「コレステロールポリープ」と言われる良性のポリープです。当院で行った腹部エコー8010例中を検討したところ、胆嚢ポリープは430例(5.4%)に見つかり、そのうちの417例(97%) がコレステロ-ルポリープと判断されました。何故、コレステロールポリープと判断できるのかと言うと、コレステロールポリープは腹部エコーで特徴的な見え方をする場合が多いからです。

私たちは胆嚢ポリープを見つけたときには、以下の6点に注意してエコー検査をしています。
①大きさ、②エコー輝度(白いか、黒いか)、③茎の有無、④表面性状、⑤内部性状、⑥個数です。

その中で、10mm以下の多発する高エコー(白っぽく見える)のポリープで、壁から浮いたようで(有茎性)、粒が集まった様に見え、表面正常も凸凹不整(桑実状)なポリープが、「コレステロールポリープ」の典型的見え方です(典型例を図1に示します)。比較的典型的な見え方をするポリープは年一度程度、エコーで経過観察をすれば良いと思いますが、そうでないもの、特に大きさが10mmを超えるようなものは精密検査が必要になってきます。精査の第一段階は超音波内視鏡検査かCT検査になります(図2)。なお、CT検査でコレステロールポリープは、単純検査では写らず造影検査で写るのが特徴ですので、CT検査は単純だけでなく造影も必要です。また、15mmを超えるポリープは手術適応(胆嚢摘出術)になります。精査や手術が必要と考えられる場合は、是非専門医と相談して下さい。

消化器内科 院長 古川 善也 図1

図1胆嚢ポリープ

図1:コレステロールポリープの典型的腹部エコー像。(矢印の先の白っぽいものがポリープです。沢山のポリープを認めます。大きさは最も大きいもので7.2mm。色は白色で、一部は浮いたように見えます。大きめのポリープは粒が集まったように見え、表面は凸凹しています。)

図2胆嚢ポリープ検査手順

図2:胆嚢ポリープの検査手順