~医療の知恵~ 「狭心症」

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第2回目は「狭心症」のお話です。
心臓の左心室は厚さが1cm程の筋肉でできた袋です。一生動き続けて全身に血液を送り出しており、この筋肉自身が栄養や酸素を必要とします。つまり栄養や酸素を運ぶ血液をこの筋肉に巡らしてやる必要があります。心臓の表面には冠動脈という名前の動脈が走っていて、この筋肉に血液を供給しています。冠動脈が動脈硬化によりかなり狭くなると狭心症、突然詰まってしまうと心筋梗塞がおこります。

健康診断の心電図検査を受けて大丈夫だったら安心していませんか?
実は狭心症は普通の(安静時の)心電図では発見できません。安静時と運動後を比較する運動負荷心電図検査が必要です。マスター二階段試験や、ベルトコンベアの上を早歩きするトレッドミルテストがありますが、ご高齢の方では足腰の問題から十分な運動負荷をかけられないといった問題があります。その他に薬物負荷心筋シンチグラムや冠動脈CTという方法があります。
しかし最終的な確定診断には、心臓までカテーテル(管)を進めて直接造影剤を注入する心臓カテーテル検査が必要です。もちろん当院にはこれらの機械が全てそろっています。
最新型の医療機械があるならば、何でも検査を受けてみたいと思われる方もおられますが、これらの検査は誰もが安心のため、念のために受ける検査ではありません。造影剤の腎臓への負担・放射線被曝・費用等を考慮しなければなりません。

症状の性状・部位・持続時間や誘因などをじっくりお尋ね(問診)し、また喫煙・糖尿病・高脂血症・高血圧などの危険因子を考慮した上で、これらの検査の必要性を判断するのが循環器内科の医師の役目です。胸にあやしい症状を感じたら循環器内科ご相談下さい。

副院長 (循環器内科) 加世田 俊一

図1(小)
図1:冠動脈CTのVR像
心臓表面を走行する冠動脈がわかります。

図2(小)
図2:冠動脈CTのCPR像
画面左下の冠動脈左主幹部が、画面右上向かう左前下行枝と下に向かう左回旋枝に枝別れしています。両方の枝に狭窄病変があります。