~医療の知恵~「食道癌」

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当院副院長(兼第一外科部長)の松田です。私は消化器外科医ですが、とくに食道外科を専門としてきましたのでここでは「食道癌」の話をしようと思います。
がんは昭和57年頃から日本人の死因のトップに躍り出ています。いまや日本人の三人に一人はがんで亡くなり、二人に一人はがんを患うと言われています。
食道癌は臓器別でみると肺、胃、肝臓、大腸、膵臓に次いで6番目と、さほど頻度は高くないのですが、それでも日本で年間1万人あまりが死亡するといわれています。癌死亡率でいうと10万人対約10人ということで、広島市でも年間100人以上が食道癌で亡くなっていることになります。

それではなぜ食道癌になるのでしょうか。食べ物の入り口である食道は、日々食事を含めて色々な発がん物質に遭遇していると言えます。なかでも日本人は熱いものを嚥下しますし、アルコールも飲み、さらにはたばこの発がん物質も少量飲み込んでいるようです。お酒を飲む人は飲まない人の3倍、たばこを吸う人は吸わない人の3倍、両方する人は50倍、特にお酒を飲んで赤くなる人がこれをすると、なんと180倍リスクが上がるといわれています。周りにそんな人がいたら注意してあげましょう。

それでは食道癌で命を落とさないためには、まずは早期発見が大切なのはどこのがんでも同じと言えます。元来食道は食事を通すだけのところですので、なかなか症状は出ません。早期に発見するのはなかなか困難です。バリウムの胃透視でも見逃されることがありますので、胃カメラを積極的に受けるしかないと言っても過言ではありません。最近は健診でも積極的に胃カメラを進めているのはこのためでもあります。

詳しい治療法等については今回は割愛させていただきましたが、まずは食道癌にならないために、お酒、たばこを控えることはもちろん、熱いものも少し冷まして飲み込む習慣を心がけましょう。そして、健診はなるべく胃カメラで受けましょう。

副院長 (外科) 松田 裕之