~医療の知恵~「大腸内視鏡検査のススメ」

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日本人の死因の第1位は悪性新生物(癌や肉腫)で、2011年に癌で死亡した人の数は約35万7,000人にも上り,その中でも大腸癌の死亡数は女性では第1位,男性では肺癌,胃癌についで第3位となっています。2020年には,男性でも第2位になると予測されています。

年々増加している大腸癌ですが,やっかいなことに早期大腸癌では,ほとんど症状はありません。下の図について、右側の大腸癌は大きくなるまで症状が出にくく,腫瘤(しこり)としてみつかったり,貧血がみられます。一方,左側の大腸癌は下血,便秘・下痢,便が細くなるなどの症状で診断されることが多いのが特徴です(下図)。

fig_10  出典:JSCCR 大腸癌研究会

②.  ③.

          早期大腸癌                          進行大腸癌

大腸癌をみつける検査法として,便潜血反応検査,注腸造影検査,大腸内視鏡検査があります。便潜血反応検査は,大腸がん検診で行われている便の中に混じった血液を検出する大腸癌のひろい上げ検査で,これが陽性であれば,注腸造影検査,大腸内視鏡検査を行います。

当院では年間2,300件以上の大腸内視鏡検査を施行していますが,毎週のように大腸癌の方がいらっしゃり,年間約160件の大腸癌を診断し,早期癌のESD,ポリープ切除など約380件の内視鏡的治療を行っています。ステージ0(Tis 粘膜癌)で発見できれば,内視鏡的治療のみで根治できることも少なくありません。広島県では大腸がん検診の2次検査受診率が53%と低率で,せっかく検診を受けても早期発見の機会を逃しているかもしれません。

大腸内視鏡検査を受けて,早期発見・早期治療を目指しましょう!

第一消化器内科部長・内視鏡センター長    岡信秀治