~医療の知恵~「脳梗塞の超急性期治療」

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脳梗塞は血管が詰まり血流が途絶えることで発症し、放置しておくと脳組織は急速に死んでしまいます。脳梗塞をできるだけ軽くするためには、まだ生きてる脳組織がある間に詰まった血管を再開通させることが必要です。

血管の再開通の治療として、血栓を溶かす薬(アルテプラーゼ tPA)を静脈投与する方法が2005年に許可されました。最初は発症3時間以内の使用に限られていましたが、2012年からは発症4.5時間以内に適応が拡大されました。
ただし、脳出血など重大な副作用が起こる可能性があるため、投与できるのは厳重な条件を満たした患者さんに限られます。しかし再開通率が低いこと(およそ30-40%)や適応時間が短いことが問題であり、適応する患者さんも限られています。

tPA静注療法によって症状の改善が認められない場合や治療の適応外の症例に対して、カテーテルを用いた血栓回収療法が注目されるようになってきました。
海外の報告では、約80%以上で再開通し、約50-70%の人が自力で歩行可能な状態にまで回復しました。しかし脳出血などを起こすリスク(約10%)がありますので、医師が慎重に適応を判断します。血栓回収のためのデバイスは次々に開発され、現在はステント型の回収デバイスを主体に治療されています。

当科でも2017年4月に医師を増員し、いつでも血栓回収を行う体制を整えています。

脳神経外科部長 隅田 昌之