~職員コラム~「ペースメーカー」

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今回の職員コラムは臨床工学課です。

私たち臨床工学技士は医療機器の管理やメンテナンスを日々行っています。その中にペースメーカー関連の業務があります。

ペースメーカーとは電気刺激発生装置である本体と電気刺激を伝えるリード線から成り、それを体内に埋め込み、直接心臓を電気刺激するものです。

EnRhythmwithleads      PacemakerInChest

心臓という臓器は人間の活動に必要な酸素や栄養を運搬する血液を身体の隅々まで送り出すポンプの役割をしています。正常な成人の心臓は1分間に約60~80回収縮して血液を送り出します。心臓の収縮は心臓の洞結節という部分で電気信号を発し、心臓の中の刺激伝導路を通って信号を心臓全体に伝えることで順番に収縮し血液を効率的に全身に送り出します。ペースメーカーはこの洞結節が信号を出さない、または刺激伝導路に異常が出て信号を伝えることができなくなった場合に代わりに電気刺激を行い、心臓の収縮を促す機器となります。

一昔前、公共交通機関を利用すると「携帯電話の電源をお切りください」とアナウンスが流れていたと思います。なぜかというと携帯電話をペースメーカーに近づけると電波を誤検知してペースメーカーが正常に作動しなくなる恐れがあったためです。

現在、総務省の発表で携帯電話端末(スマートフォンを含む)によるペースメーカーへの影響を調べた結果、「最長3cmで影響を受けることがある」ということが確認されたので「携帯電話を使用する場合は15cm以上離して使用する」という指針が出されています。

先ほど、ペースメーカーは電気刺激を行う機器と書きましたが、近年の技術の進歩により、様々な機能を合わせ持ったペースメーカーが出てきています。

例を挙げますと、運動を検知して刺激を自動で調整する機能や、頻脈性の不整脈を止める機能、心不全の指標やSAS(睡眠時無呼吸症候群)の指標を計測できる機能などがあります。また、昔は検査自体が禁忌であったMRI検査が可能な機種やリード線が必要ないペースメーカーというものも出てきています。

 

このように次々と新しい技術が出てきている中で、私たち臨床工学技士はペースメーカーの埋め込み手術時から動作や設定の確認・変更などを医師と連携しながら行っています。患者さん一人ひとりに最適な設定を提案できるよう、私たちも日々情報収集や自己研鑽を続けていきます。