~医療の知恵~「智歯周囲炎について」

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歯科口腔外科では、口腔・顎・顔面領域の炎症、腫瘍、奇形、外傷に対する手術を専門に行っています。外来で毎日行う小手術の他にも、毎週月・金曜日には手術室で全身麻酔での手術を行っています。今回は手術の中でも特に症例数の多い、智歯周囲炎に伴う智歯(通称:親不知(おやしらず))の抜歯について取り上げます。

皆さんの中には、歯科医院でレントゲン撮影後、歯科医師に「親不知が顎の骨の中に埋まっています。」と言われたことがある方もいると思います。智歯周囲炎は、智歯と顎の骨の微細な隙間から細菌感染が起こり、進行すると智歯周囲に膿が溜まり、顏が腫れて口が開けにくくなり、激痛が起こります。治療法は抗生剤を飲んで炎症を抑えるか、智歯を抜歯するかです。抗生剤の内服では一時的に症状が緩和しても、智歯がある限り智歯周囲炎を繰り返します。

智歯は顎の骨の中に埋まっているか、半分埋まっていることが多く、さらに横向きに埋伏 (水平埋伏智歯)していることがあります(図1)。そのままの状態では抜歯できませんが、当科ではこのような智歯の抜歯を行う設備を整えております(図2)。抜歯手術は基本的に外来で局所麻酔のもと、日帰りで行いますが、患者さんの全身状態や炎症の程度によっては短期間の入院をお勧めする場合があります。

図

抜歯後の痛みは鎮痛剤で対処でき、腫れも通常3~5日程度で徐々に改善します。また、食事は当日からできます。抜歯後約1週間で、傷口を縫っていた糸を取ります。抜歯後の欠損は約1ヶ月で歯肉が再生し、3~6ヶ月で骨が再生して治癒していきます。

親不知のトラブルは、まずかかりつけ歯科医にご相談下さい。

歯科口腔外科 部長 明見能成