~医療の知恵~医師から「腫瘍」と説明を受けた、それって「癌」なのですか?(2)

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前回の記事で、良性腫瘍・悪性腫瘍については分かったけれど、胃癌と言われたり、胃の腺癌や胃の悪性リンパ腫あるいは胃の肉腫と説明されたりして、少し混乱されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この「腺癌」、「扁平上皮癌」、「悪性リンパ腫」、「肉腫」はその悪性腫瘍の出身による呼び名で「組織型」と言います。病理医が顕微鏡を見て判定しており、医療関係者同士ではこれらの名称を使います。
悪性腫瘍は、出身ごとにある程度性質が似ており、どの治療が効果的か、どの臓器に転移しやすいかなどの特徴があるので、治療のために必要な情報です。人でも、性別や年齢に加え、どの地方の出身で、何人きょうだいの何番目で、上に姉が何人いると言うだけでも、ある程度性格は似ているのではないでしょうか。
また、「悪性腫瘍」と「癌」の区別ですが、「癌」は「悪性腫瘍」の一部であり、発生数が多いため、その名称で代表的に呼ばれています。「車」と言っても、本来なら「タイヤ」を指すはずですが、「自動車」を指す場合が多いのに似ています。scince_kenbikyou

その他、「早期癌」や「進行癌」という言い方を聞かれたことがあるかも知れません。悪性腫瘍といえども最初のうちは大きくなる速度も遅く、転移をすることも少ないので、治療で治ることが多いのですが、癌が進行してしまうと手が付けられなくなることもあります。熊やライオンなどの猛獣でも子供のうちは可愛く、注意をしていれば危害を加えられることはありませんが、森の中で突然大人の熊に出会うと命の危険があるのと同様です。

主治医から「こういう治療をしましょう。」と提案された場合は、「組織型」や「進行度合い」を見た上での最も効果の高い治療方法であることが多いのです。

病理診断科 藤原 恵,坂谷暁夫