~医療の知恵~心房細動について

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今日は不整脈の中で最もポピュラーな疾患である、「心房細動」を取り上げたいと思います。

心房細動は、高齢化により有病率が増加しており、日本国内の患者数は100万人とも言われています。近年注目されている循環器疾患の一つで、その理由として、脳梗塞や心不全などの重篤な病気の原因疾患であることが挙げられます。心房細動は、心房が毎分400~500回の高頻度で興奮するため、心房筋が事実上収縮を停止した状態(standstill)となり、血流の鬱滞が生じて血栓ができやすくなります(図1)。

図1

脳梗塞の約3割を占めるといわれている「心原性脳塞栓症」は、脳の太い血管で詰まることが多く、「ノックアウト型脳梗塞」とも呼ばれ、寝たきりや、場合によっては致命傷となることもあります。したがって、心房細動と診断されたら、抗血栓薬(通称、血液サラサラ薬)の服用が推奨されています。また、近年、高齢者の心不全が増加(心不全パンデミック)しておりますが、心房細動を合併しているケースも多く、治療に難渋することがあります。

心房細動は、放置していると慢性化して治らなくなるため、早期発見・治療が大切です。一般的には「動悸、息切れ、倦怠感」といった症状を伴うことが多いですが、無症状のこともあるため、定期検診や毎日の血圧、検脈測定を心がけてください。従来は抗不整脈薬による薬物治療が主でしたが、無効例では最近、カテーテルアブレーション治療(図2)が広く行われるようになりました。

心当たりのある患者さんは、是非一度、当院の循環器内科にご相談ください。

図2

循環器内科副部長 大橋紀彦