~医療の知恵~肝がんの治療

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肝細胞癌(肝がん)の治療は、「肝切除」、「ラジオ波焼灼療法」、「肝動脈塞栓療法(TACE/TAE)」の他に、「放射線治療」、「肝動注化学療法」、「肝臓移植」、そして最近では、「分子標的治療薬」と、多くの選択肢があります。
胃がんや乳がん等とは異なり、がんの大きさや広がりだけでなく、肝予備能(肝機能)とのバランスによって治療法が決まるという特徴があります。
肝癌診療ガイドラインの治療アルゴリズムでは、最初に肝予備能で大きく2つに分かれ、その後に肝外転移の有無、脈管侵襲の有無、腫瘍数、腫瘍径と続いています。すなわち、たとえ1cmのがんであっても、肝機能が悪ければ手術はできませんし、逆に肝機能が良ければ、10cmを超える大きながんであっても切除可能な場合があるのです。

適切な手術術式を判断するために、下図のような、3次元画像解析システムを用いて手術シミュレーションを行います。

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肝がんのもう一つの特徴として、治療後の再発が多いことが挙げられます。

肝がんは主に肝炎ウイルスの感染に由来する「慢性肝疾患」から生じるため、手術後も5年間で半数以上の患者さんにがんが再発します。だからと言って最初から中途半端な治療を行うと、結果的に、がんの制御が困難となる場合が多いです。
肝機能をできるだけ維持しつつ、その都度最適な治療を行うことと、治療後にも定期的な経過観察を行うことが重要です。

当院では、外科・消化器内科・放射線科の専門医が合同カンファレスを行って、患者さん一人ひとりに最適な治療法を選択していますので、安心して治療を受けていただけます。

第三外科部長 前田 貴司