~医療の知恵~「メタボリックシンドローム」について

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「メタボ」という言葉は、みなさんご存じでしょう。正式には「メタボリックシンドローム」といい、内臓脂肪が蓄積し高血圧・高血糖・脂質異常症等の動脈硬化の危険因子を2つ以上合わせもった疾患概念で、危険因子が重積することで動脈硬化のリスクが相乗的に高くなることがわかっています。(日本の診断基準は下記をご参照ください。)栄養が豊富で運動不足になりがちな昨今、「メタボ」の人の増加が問題となっています。

プレゼンテーション1

そこで当院健康管理センターをご利用いただいている男性の「メタボ」について調べてみました。2016年の男性受診者で10年前にも当センターを受診されている1,423名でみると「メタボ」と診断されたのは28.1%、年代別では49歳以下18.7%、50歳代23.2%、60歳代33.7%、70歳以上28.1%でした。

画像作成用(正方形)「メタボ」と診断された方のうち若年者では中性脂肪と空腹時血糖の異常が、高齢者では血圧の異常が多くみられました。治療中または治療歴のある疾患の合併頻度を調べると、高血圧症・糖尿病・脂質異常症、高尿酸血症・虚血性心疾患・脳梗塞のいずれにおいても、ほぼ年代が上がるにつれて頻度は高くなり、またどの年代においても「メタボでも予備群でもない人たち」と比べて「メタボの人たち」でこれらの疾患の頻度が高くなっていました。

図3

過去10年間の体格や検査値の変化を調べてみると、特に49歳以下の人たちで体重、空腹時血糖、中性脂肪の増加が目立ちました。

50歳くらいまでの不摂生で体重が増加し、空腹時血糖や中性脂肪等の代謝の異常を来し、その後もこのような状況が続くと血圧の異常や動脈硬化に関係する病気の発症につながると考えられます。「50歳までの体重のコントロール」がとても大切です。皆さんご注意ください。そして定期的に健康診断を受けられ、「メタボ」チェックも受けましょう。

健診部 副部長 久留島 仁