~医療の知恵~健診で『多血症』と言われたら

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最近、健康診断で「多血症疑い」と診断され、受診される方が多くなっています。「血の気が多いからキレやすい。」日常会話でも耳にする言葉ですが、医学的にはどうなのでしょうか。

多血症には①肥満、高血圧、緊張によるストレス多血症 ②アルコール多飲や脱水による循環血症量の減少による相対的多血症 ③喫煙や肺疾患による低酸素血症による多血症 ④JAK2遺伝子の後天的変異による真性多血症や造血ホルモン産生腫瘍による2次性多血症もあります。

赤血球の増加のため血液が粘調になり脳の血流がスムースでなくなると頭痛やめまい、耳鳴り、視力障害などをきたします。さらに、血栓症により脳梗塞や心筋梗塞を発症して初めてその原因として見つかることもあります。

「血の気が多いからイライラしてキレやすい」のもあながち間違いではなく、真性多血症では特に高サイトカイン血症のため多彩な症状(集中力低下、かゆみや痛みを伴う皮膚紅潮、手足のしびれやちくちく感など)をきたし、うつや神経痛、皮膚疾患、更年期などとして、それぞれの診療科を受診されることもあります。

生活習慣病予防に関心が高まり、血栓症を起こしやすい多血症や血小板増多症が健診で指摘されることが多くなりました。異常を認めた場合には、生活習慣病と関連の深いストレス多血症のほか、真性多血症の可能性もありますので、血液内科の受診をおすすめします。

適量のお酒でストレスを解消することも大事ですが、アルコール過飲による脱水症と喫煙は血栓の危険因子となりますのでご注意ください。

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検査部 部長 岩戸康治