~医療の知恵~基準値と正常値

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健康診断を受けたり、病院を受診したりして血液検査を受けると、検査結果を受け取ることが多いと思います。検査結果には色々な項目があり、検査値が記されていますが、検査値の隣に「基準値」という項目があり、○○~○○と表示されていると思います。そして、この基準値をもとに検査結果の後ろ(あるいは前)にH(高い)とかL(低い)というマークがついているかもしれません。では、この「基準値」とは何でしょうか?多くの方は「正常値のことじゃないの?」と言われると思います。実際昔は検査結果にも「正常値」と記載されていた時代もあります。しかし、現在では「正常値」という記載は必ずしも正しくないとの判断で、ほとんど使われなくなりました。

そもそも「基準値」とはどうやって算出するのでしょうか?実は、多くの検査項目については「基準値」は統計学的に求められています。簡単に言いますと、健康人を100人集めて検査して、その検査値を統計学的に処理し、95%が属する範囲で決められます。

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逆に考えると、健康な方のうち、5%の方は「基準値」から外れるということになります。しかし、「基準値」から外れたからといって、それが正常ではないとはいえません。このような理由から「正常値」という用語は使われなくなりました。

とはいえ、「基準値」を少しだけ外れている数値と、大きく外れている数値では持つ意味合いが違います。医学の世界では、どのぐらい外れると病的意義があるかという判断の基準として「臨床判断値」というものが存在します。例えば、空腹時血糖の基準値は70-109mg/dlですが、「126mg/dl以上であれば糖尿病が考えられる」などです。もちろん110~125mg/dlの方も糖負荷試験などの精査を行い、糖尿病と診断されることもあります。

いずれにしましても、検査結果については複合的に判断する必要があり、自己判断で「このぐらいなら大丈夫」と思わずに担当の先生に必ず相談するようにしましょう。

 

                         検査部副部長  勝谷 慎也