医療の知恵~認知症とは~

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認知症ってどんな病気?

日本では高齢人口が増加するに伴い認知症を有する高齢者の方が増えています。85歳以上のお年寄りでは4人に1人は認知症といわれています。年を取ると「名前が思い出せない」「何しにここに来たんだっけ」など、もの忘れが多くなります。これは、誰にでもある「もの忘れ」です。もの忘れしている事に自分自身気づいていますし、生活上での支障も全くありません。病気による脳の萎縮や脳血管障害で認知症になると、体験や出来事の記憶の全てを失います。忘れている事すら、忘れてしまうため、周囲の方からその出来事に対する「ヒント」を与えられてもそのことについて思い出すことができません。認知症では記憶障害や判断力の低下などは必ず見られますが、人によっては怒りっぽくなったり、不安になったり、異常な行動が見られたりすることもあります。

認知症の原因となる疾患はたくさんありますが「アルツハイマー病」、「脳血管障害」の2つが原因の8割を占めています。

認知症の治療

認知症の症状は大きく2つに分けられます。記憶障害や判断力の障害など中心となる症状と、それに伴っておこる幻覚、妄想、徘徊、不安などの周辺症状です。

認知症の中心となる症状を根本的に治療する薬は今のところありません。アルツハイマー型認知症については症状の進行を遅らせる薬が使われます。この薬は病気を治す薬ではありませんが、認知症の症状の進行を遅らせることによって、ご家族と一緒に過ごす貴重な時間を長くすることが出来るのです。

また、ご家族の方を悩ませているのは、主に周辺症状だと思います。周辺症状のうち、いくつかの症状は、抗うつ剤、抗精神病薬、漢方薬などを使用することによって軽くなることがあります。

脳神経内科副部長 雜賀 徹