~医療の知恵~救急車の適正利用と救急安心センター事業(電話相談窓口 #7119)について

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救急(馬)車の起源はナポレオン軍や南北戦争の時代まで遡ります。日本では昭和6年、日本赤十字社大阪支部に日本初の救急車が配備されましたが、病院の車両で公的救急車ではありませんでした。昭和30年〜40年頃の「交通戦争」と表現される交通死亡事故の劇的な増加を受けた昭和38年の「消防法」改正でやっと救急患者の公的救急車での搬送が制度化されました。しかし当初、救急車で搬送できるのは「外傷患者(けが人)」のみでした。現在のように心筋梗塞や脳梗塞といった内科的疾患など、けが人以外の「急病患者」を救急車で搬送できるようになったのはごく最近で、昭和61年の「消防法」改正、昭和62年の「救急病院等を定める省令」改正後の事です。

さて、平成29年中の救急車による全国の救急出動件数は、634万2,147件で、国民の22人に1人が救急隊によって搬送されています。広島県でも1日平均353件、約4分4秒に1回の割合で救急隊が出動しています。

しかし、救急搬送される患者さんの中には、本当は救急搬送の必要がないのに「どの病院を受診して良いのかわからない」、「念のために」、「交通手段がない」といった理由で救急車を利用する方が少なからず存在し、救急車が不足して重傷患者対応ができない、病院が軽症であふれ返って重傷患者の受け入れができないなどの弊害が生じています。総務省消防庁では、救急車の適正な利用を目指し、救急安心センター事業(電話相談窓口 #7119)を開設しています。救急車を呼んだが方がいいか判断に迷う時は、#7119に電話し、相談してみてはいかがでしょうか。もちろん緊急だと思ったらためらわずに119番通報をしてください。

救急集中治療科 副部長 岡野博史