ほほえみ vol.102 2025秋号
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私たちは総合病院の眼科として、幅広い疾患に対して診療を行っています。手術が必要な白内障や、緑内障の点眼加療および眼圧下降手術、黄斑前膜や黄斑円孔、硝子体出血、眼内レンズ脱臼などに対する硝子体手術および加齢黄斑変性症や糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞に対する硝子体内注射など、広く標準的な診療・手術を行っています。当院の特色として、血液疾患の患者さんが多いという点があります。免疫抑制加療中の方に起こるサイトメガロウイルス網膜炎や、骨髄移植後の拒絶反応による重症なドライアイの方などに幅広く対応しています。また、合併症である糖尿病網膜症加療に関しても、硝子体内注射や手術など多様な治療・手術を提供しています。眼科では検査が多岐にわたります。見え方の指標となる視力検査や眼底の画像検査、緑内障の患者さんにとって重要な視野検査などさまざまな検査があります。眼科検査のスペシャリストである視能訓練士および外来看護師と密に連携を取り、できるだけ患者さんをお待たせしないように最大限の努力をしながら日々診療を行っています。視覚から人間は情報の約8割を得ているといわれます。そのため、白内障により視力が低下すると脳への刺激が減少し、認知機能低下につながる可能性があります。また水晶体の混濁により光刺激が減少することで、睡眠にかかわるホルモン分泌に影響が出て、睡眠障害や認知機能低下につながる可能性もあります。白内障手術は、認知症発症リスクを3割ほど低減させるというデータもあります。 2白内障治療は認 知症予防につながる総合病院の眼科として他診療科との連携を強化チーム医療の重要性眼科医師/江口 真理奈 眼科医師/益田 俊 視能訓練士/小林 夕美香□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 02020202□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 03030303●表紙の写真(右から)T O P I C S0101□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 0101

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