ほほえみ Vol.77
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一時期病理に在籍して医学博士号を取ったという先生は大勢おられるのですが、広島県で現在、病理診断をしている病理医は37人で(当院の全医師は約110人)、それら病理医が常駐しているのは15病院です。法的に病理診断が医療行為として認められたのは1989年で、診療科とされたのは2008年ですが、当時も今と同じように病理診断は行なわれていました。ちなみに当院の病理は1956年に創設され、それ以来のプレパラートは保存されて、いつでも見返せるようにしています。病理のこと、もっと教えて病理診断科〈 特集 〉Q.「病理診断」という言葉をご存じでしょうか。「病変の一部を採って検査を」と言われ、その後に「診断が付いたので治療しましょう」と言われた方の多くは、知らないうちに当科を受診され、1日平均70名です。当科では採られた病変(「検体」と呼びます)を一晩掛けてプレパラートにして、顕微鏡で見てどの様な疾患か、治療が必要か、治療効果はあったか等の情報を「病理診断」として報告しています。例えば口内炎のように見える癌や逆に癌のように見える口内炎もありますが、治療前に正しく判定する必要があることは言うまでもありません。現時点では「病理診断」は適切に採られたなら、病変の最も信頼出来る診断と言われています。味気ない名前の「検体」ですが、そのため先入観を持たず、病状を客観的、科学的に判断しています。01病変の一部を採取しあらゆる観点から検証治療が必要であるかの「病理診断」を行っています。最も近い所で、患者さんを診察しています。顕微鏡による検体の検証で、「病理診断」を行います。

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