~医療の知恵~「肺癌の薬物治療の進歩~免疫チェックポイント阻害薬」

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我が国では近年、肺癌が増加しており、男女ともがん死亡者数の1位は肺癌です。肺癌は進行して発見されることが多いため、手術を受けることができる患者さんは4割程度といわれています。このため、肺癌の治療には抗癌剤などの薬物療法が重要となります。今回は肺癌治療の進歩の1つである、免疫チェックポイント阻害薬についてお話しします。

 

免疫チェックポイント阻害薬は、体内で敵じゃないふりをしているがん細胞を、体内にある免疫細胞(リンパ球)に敵だと認識させて攻撃させる薬剤です。現在肺癌治療に使用されている免疫チェックポイント阻害薬にはニボルマブ(オプジーボ®)、ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)の2つがあり、いずれも生命予後の改善効果が示されています。免疫チェックポイント阻害薬での治療は、効果を証明され保険収載された、“証拠のある免疫治療”です。どのような肺癌に効果があり、どのような患者さんでは使用を控えるべきかがかなり分かってきていますので、適切な治療の選択には専門家の判断が必要です。

 

当科で治療を行った1例をお示しします。下図は肺癌に胃癌を合併された患者さんですが、左がオプジーボ®での治療開始前、右が治療開始後です。矢印が癌を示していますが、肺癌、胃癌ともに縮小しています。

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オプジーボ®は最近、胃癌も保険適応に追加され、2つ以上の化学療法を行った後の使用が可能となりました。その他、悪性黒色腫、腎細胞癌、頭頸部癌、古典的ホジキンリンパ腫も保険適応となっています。今後も様々な癌腫が免疫チェックポイント阻害薬の保険適応に追加されると思われます。

呼吸器科部 山﨑 正弘