~医療の知恵~「片頭痛」

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片頭痛の有病率は8%前後で、身近な病気です。
病名からして、痛みは片側性と思われがちですが、実際には半数近くの患者さんが両側性に認めています。
前兆のない片頭痛の診断では、以下の診断基準が提唱されています。(国際頭痛分類第2版、2004年)

A . B ~ D を満たす頭痛発作が 5 回以上ある。

B .頭痛の持続時間は 4 ~ 72 時間

C . 頭痛は以下の特徴の少なくとも 2 項目を満たす
1 .片側性  2 .拍動性  3 .中等度~重度の頭痛  4 .日常的な動作により頭痛が増悪する、あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける

D . 頭痛発作中に少なくとも以下の 1 項目を満たす
1 .悪心または嘔吐(あるいはその両方)  2 .光過敏および音過敏

E . その他の疾患によらない

この中でも、体動による悪化、音や光に対する過敏が重要です。
急性期の治療薬は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)とトリプタンがあります。
軽度の頭痛の場合はNSAIDs、中等度~高度の頭痛ではトリプタンが推奨されています。
現在、トリプタンは5種類、使用方法として経口、点鼻、皮下注射があります。また、いずれの薬剤も乱用により薬物乱用頭痛を引き起こす可能性があり、注意が必要です。
急性期治療のみでは、不十分な場合には予防療法を考慮します。
予防薬として抗てんかん薬、抗うつ薬、βブロッカー、カルシウム拮抗薬などがあります。
片頭痛では、頭痛の頻度、程度、発症時間などを考慮して、各々にあったテーラーメイド的な治療が望まれます。

神経内科部長 荒木 武尚