~医療の知恵~先人の知恵に学ぶ―経皮的カテーテル挿入法―

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皆さん、心臓カテーテル治療や中心静脈カテーテル(IVH)留置という言葉を聞いたことはないでしょうか?
実際に、カテーテル治療を受けられた方、カテーテル留置された方もおられると思います。
カテーテルとは検査や治療などを行うために、体内(主に血管内)に挿入する鉛筆の芯ほどの太さの管の総称です。
では、どうやって見えない血管にカテーテルを挿入しているのでしょうか?

スウェーデンの放射線科医であったセルジンガー先生が、1953年に『経皮的カテーテル挿入法(セルジンガー法)』を発表されて以来、世界中で、現在もなお、この手法が用いられています。その手法は下図のとおりです。

スライド1
なんということはない手法と思われるかもしれませんが、この手法が発表される前は、外科的に血管を露出して直視下にカテーテルを挿入していました。セルジンガー法はこの外科的な処置が不要な上に、細い穿刺針とガイドワイヤーを用いることによって、血管や周囲組織の損傷を少なくすることができるのです。

近年の医療技術は専門性が高く、複雑化しているものも多いですが、『セルジンガー法』のような、固定観念にとらわれない〝ひらめき〟や〝アイデア〟によってスタンダードになった医療技術もあります。時には常識を疑い、視点を変えて考えることの大切さを感じる次第です。

放射線診断科部長 柿沢 秀明