日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院

白血病

がん治療をお考えのかたへ

白血病

白血病

治療方針

白血病は抗白血病薬、分子標的薬や造血幹細胞移植に多くの症例が治癒可能な疾患です。
そのためには末梢血、骨髄検査で速やかで正確な診断を行うことが大事です。世界的に見ても多くの症例が集まる当院では当日にほぼ診断が確定するシステムが確立されています。さらに院内で迅速な細胞表面マーカー、遺伝子異常の検索を行うことができます。現在の医療レベルで治癒可能な疾患は年齢に関係なく治癒を目指し治癒困難な疾患は長期生存を目標にします。高齢者の多い疾患ですので化学療法後の合併症防止が大事で特に真菌症を含む感染症対策に他施設にはない工夫を凝らしています。抗がん剤治療で生命を落とさないことが大切です。治療期間が1年以上の疾患が多く、QOLを維持するためにも白血病治療の外来通院治療を積極的に実施しています。

治療法、治療成績

急性骨髄性白血病(AML)はIBMP療法で寛解導入。完全寛解率は70歳以下で90%、70歳以上で70%。寛解後5種類の治療を11ヶ月間実施。10年生存率は60%。難治例は早期に骨髄移植。急性リンパ性白血病(ALL)は化学療法にPh1染色体陽性例にはグリベックを併用。寛解率95%、65歳以下は骨髄移植を実施。5年生存率は50%。骨髄異形成症候群(MDS)はビダーザによる5日間の外来治療が基本。26日間周期で有効率は70%。MDS関連AMLが最近は多くなり難治性。IBMPで寛解導入。寛解率90%。寛解後はビダーザと化学療法の交替療法で2年生存率が50%。慢性骨髄性白血病(CML)はグリベックを服用。99%が3ヶ月でほぼ正常化。グリベック、タシグナ、スプリセルを約1年ごとに交替投与。約20%が無治療で長期経過観察中。しかし残る80%は3者のいずれかを長期間服用中。CMLで死に至ることは稀。現在CMLを治癒に導く有効な方法を模索中。

このページのトップへ