日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院

神経血管減圧術

診療科・部門について

神経血管減圧術

神経血管減圧術

機能脳神経外科の手術方法の一つです。血管が脳幹の神経の分岐部に接触して様々の症状を呈します。主として三叉神経痛や顔面けいれんです。神経より責任血管を剥離する手術が神経血管減圧術で、当科でも専門的に取り組んでいます。

三叉神経痛は、三叉神経が脳幹部に入る直前で動脈などによって圧迫されることが原因で、あごやほおに突発的な激しい痛みが起こります。顔面けいれんは、顔面神経が脳幹部から出る部分で動脈などによって圧迫されることが原因で、顔面筋の断続的なけいれんが起こります。

図1

治療方法には薬物や神経ブロックなどありますが、根治治療は神経血管減圧手術です。皮膚切開は5cm程度で髪の中で、術後髪で隠れてみえません。耳の後ろの骨に小さな穴をあけ、顕微鏡で覗き込みながら、圧迫している血管を剥離して移動させ、元にもどらないように固定する方法です。手術によって、80-90%の症例で症状が消失します。

顔面けいれんの手術

図2
図3
図4
図5

図1. MRIにて責任血管と顔面神経の脳幹分岐部の接触を描出する。
図2. 耳介後方毛髪内に5cmの皮膚切開を行う。
図3. 蛇行した動脈が顔面神経の分岐部を圧排している。
図4. 責任血管を移動すると顔面神経分岐部が露出する。
図5. 移動した責任血管にテフロン繊維を巻き付けフィブリン糊にて固定する。

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