~医療の知恵~ ヘリコバクター・ピロリ菌をご存知ですか?

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胃がんは日本人のがん死亡数のうち、3番目に多いがんです。その胃がんの原因として上げられるのがヘリコバクター・ピロリ菌という細菌です。本体の大きさは約4.0μmでらせん形をして、数本のべん毛を持っています。一般的に細菌は胃酸によって死滅しますが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を分泌することで尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、このアンモニアが胃酸を中和するため胃内で生息することができます。ピロリ菌感染が起こると、多くの人で胃炎が起こります。除菌治療をしない限り胃の中に生息して、炎症が長く続くと胃がんに発展する恐れがあるのです。

ピロリ菌は、幼少期に水や食物などから経口感染すると言われています。感染経路は主に環境因子と、接触因子があります。近年は上下水道の整備など衛生環境が改善しており、若い人の感染者数が低下しています。また接触因子のうち、家庭内感染には留意しないといけません。

ピロリ菌の検査は、最初に内視鏡検査を受けて「胃炎」と確定診断された方が対象となります。他施設にて6ヶ月以内に通常診療および健康診断で内視鏡検査を受けて胃炎と診断された方は、内視鏡検査を省略して検査を受けることができます。検査方法には、内視鏡検査時に採取した胃粘膜組織で行うものや、血液や便などで簡便に行えるものなど、保険適用となった6つの方法があります。状況に合わせて検査をご提案させていただきますので、胃の調子が悪い方や、過去に胃炎や胃・十二指腸潰瘍を患われたことがある方は、一度消化器内科へご相談下さい。

ピロリ菌

第一消化器内科 副部長 毛利律生