日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院

病院公式ブログ

2025.09.30

職員コラム

『臨床工学技士』という職種をご存知でしょうか?

私たち『臨床工学技士』は人工呼吸器や透析装置など、医療機器の管理を通して患者さんの命を支えるスペシャリストです。患者さんに安心して治療を受けていただけるよう、日々努力を重ねています。

私たちは日頃から、学会発表や論文投稿にも積極的に取り組んでいます。昨年は人工呼吸器を使う患者さんの治療に関する研究で、奨励論文賞をいただきました。人工呼吸器には「人工鼻」や「加温加湿器」という装置があります。人工呼吸器から送られる空気は乾燥しているため、「人工鼻」や「加温加湿器」という装置で加湿しています。人工鼻は呼吸の時に出る水分を利用して空気を少し湿らせる装置で、加温加湿器は空気を温めてしっかり湿らせ、肺や気道が乾かないよう守る装置です。患者さんによっては人工鼻から加温加湿器に切り替えた方がよい場合があります。研究では過去の症例をもとに、どんな状況で切り替えが行われやすいかを分析したところ、神経系や呼吸器系の病気がある方、血液中の酸素に対して、肺の酸素を取り込む力が低い方、血糖値が高い方では、加温加湿器に切り替えられることが多いことが分かりました。

今回の研究で分かったことは、人工呼吸器を使う患者さんのケアをより安全に行うための手がかりになります。臨床工学技士として、今後も学会や論文を通じて知見を広げ、患者さん一人ひとりに合った医療機器の管理や支援に役立てていきたいと考えています。

写真右下のキャラクターは臨床工学技士会公式キャラクター シープリンです
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