日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院

病院公式ブログ

2025.08.22

医療の知恵

小児用の股関節・生殖腺シールドの使用中止について

いつも当院の医療にご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。
このたび当院では、国際的なガイドラインや国内の専門機関の見解に基づき、小児のX線検査における「股関節および生殖腺シールド(防護カバー)」の使用を中止することといたしました。

これまで、放射線から将来の健康を守る目的でシールドを使用してきましたが、現在では以下のような理由から、使用を続けることでかえって不利益が生じる可能性があるとされています。

• シールドがずれることで画像が不明瞭になり、再撮影が必要になることがあります。その結果、かえって放射線を浴びる量が増える場合があります。
• シールドによって必要な部分が画像に写らず、正しい診断ができないおそれがあります。
• 最新の研究により、生殖腺を守っても将来の子どもへの影響がほとんどないことがわかっています。
• 現在のX線機器は、もともと被ばく量を抑える技術が導入されており、シールドを追加しても効果がほとんど期待できません。

このような理由から、今後は小児の検査時に股関節や生殖腺へのシールドを使用しないことといたします。

ただし、特別な事情がある場合などには、必要に応じて対応いたしますので、遠慮なくお申し出ください。

今後もお子さまにとって安全で安心な医療の提供に努めてまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽に放射線科までお問い合わせください。

詳細はこちらをご覧ください

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