日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院

病院公式ブログ

2026.03.09

医療の知恵

Ir-PC-LRBS ? 何の略ですか??

献血にご協力いただき感謝いたします。
Ir-PC-LRBSとは、2026年3月現在、病院で輸血される血小板製剤の略称です。
血小板は体外循環によって血液の中から集めます。そのとき白血球 (リンパ球) が混じってしまいます。そのまま患者さんに輸血しますと混じったリンパ球が増えて、患者さんの体を攻撃します (輸血後移植片対宿主病)。採取した血小板製剤に対して放射線をあてますと混じったリンパ球は増えません (irradiated:Ir)。体外循環 (総量は循環血液量の15%以下) にて分離した血小板を 120cc ほどのバックに濃縮したものを濃厚血小板製剤 (platelet concentrates:PC) と呼びます (2×10^11個以上の血小板が含まれます)。混入した白血球はドナーさんと患者さんとで、HLAというたんぱく質の形が異なります。すると異物と勘違いして、HLAに対する抗体が生じ、HLA抗体により輸血された血小板が破壊されます。白血球混入を減少させるため、保存前に白血球除去フィルターを通します (leukocyte reduced:LR)。LRは、輸血後に熱がでる副作用の低減にも有用です。献血ではドナーさんの皮膚に針を刺し数時間かけて体外循環するため、細菌が流入し、患者さんに輸血した直後に敗血症を起こすことがありました。そこで、バック内に菌が侵入していないかを事前に検査する、細菌スクリーニング(bacterial screened:BS)が2025年7月30日より導入されました。輸血の安全性を確保する努力が、今も続けられています。

輸血部・検査部 部長 牟田毅

このページのトップへ