日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院

病院公式ブログ

2019.02.06

職員コラム

高気圧酸素治療の紹介

今回の職員コラムは臨床工学課です。

私たち臨床工学技士は、医療機器の操作および保守管理を通して、安全な医療を提供することを主な業務としています。
今回は集中治療室内で行っている、「高気圧酸素治療業務」を紹介します。

「高気圧酸素治療」とは、治療装置内を2.0気圧~2.8気圧(水中約10m~18mと同等の環境)まで加圧し、そこで100%酸素を吸うことにより、たくさんの酸素を血中に取り込み病態を改善していく治療です。標準の治療時間は85分間で、10回を目安に行います。疾患によっては、これよりも長い治療時間・回数が必要となり、病態に合わせて治療が行われます。
これまでの当院の治療実績としては、突発性難聴が多く、次いで放射線障害、骨髄炎、慢性末梢循環障害となっており、様々な診療科の疾患が対象となります。

私たち臨床工学技士は、安全に治療を行うため、医師・看護師と協力し、治療を受けられる方のサポートをしています。
装置の操作は臨床工学技士が担当し、毎朝行っている始業点検から治療後の確認まで一貫して機器の管理を行います。
治療前には、患者さんが装置内に持ち込んではいけない物を持っていたり、湿布などを貼っていたりしないか確認します。治療時に着用する治療衣やタオルケットなどの物品は、高気圧酸素治療安全協会指定製品を使用するなど、安全に治療が行えるよう配慮しています。
また、緊急時にも対応できるよう、定期的にトレーニングを行い、患者さんに安心・安全な治療を提供できるよう努めています。

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