日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院

病院公式ブログ

2023.07.28

医療の知恵

よく眠れますように

日頃眠れないと感じる人は、非常に多いと思います。ある統計によると、国民の20%程度に不眠症があるといわれています(参考1)。一方、眠るために薬を飲むことに抵抗感のある方は、少なくないと思います。もう限界!の場合や、いろいろやってだめなら薬を使うことを勧めます。
眠れないときに大事なのは、生活習慣の見直しです(参考2)。睡眠衛生指導ともいわれ、一定の時間におきて、一定の時間に食事をとること、適度な運動をすること、眠る前にリラックスできる工夫、眠る前に強い光などの刺激をさける、カフェインの摂取や喫煙をさける、などです。なお、睡眠時間は年齢とともに短くなります。若いころは8時間眠れていたが、年をとってからは6時間も眠れないというのは普通にあることです。また、あまりに早く寝ようとすると、夜中に目が覚めて、その後眠れないという不快感につながることもよくあります。眠くなってから布団に入り、短めでもぐっと深く眠った方がよい睡眠につながることもあります。睡眠薬を使う場合にもこのような生活習慣の見直しをしつつ、薬は補助のつもりで短期間の使用にとどめることが勧められています。
ただし、夜眠っているのに昼間に眠くなって仕事ができない、自分では覚えていないけど夜中に体を動かしているといわれた、いびきがひどく家族から息をしていないといわれた、などの場合には、詳しい検査が必要なことがあるのでお医者さんに相談しましょう。

参考
(1)Yuriko Doi. Nihon Rinsho. 2009 Aug;67(8):1463-7.
(2)https://e-kennet.mhlw.go.jp/tools_sleep/

精神科部長  小早川 誠

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