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2024.03.06

医療の知恵

加齢黄斑変性症~目のセルフチェックをしましょう!

加齢黄斑変性症とは、「加齢」に伴って網膜の「黄斑部」に障害が現れる病気です。網膜とは、カメラでいうフィルムにあたり、目から入ってきた光を電気信号に変換して脳に伝えています。網膜の中心にあり、特に重要なのが「黄斑部(黄斑)」です。
統計では、日本人の50歳以上の80人に1人が発症し、決してまれな病気でありません。しかし、治療せず放置すると、約90%が0.1以下の視力になってしまい、社会生活が困難になるというデータがあります。現時点では、網膜の物を見るための細胞が破壊された場合、再生させる治療法は確立されていません。そのため、早期発見・早期治療が重要です。
その特徴的な症状は、ものが歪んで見えたり、中心が暗く見えたりすることです。比較的症状ははっきりしていますが、眼は左右二つあるので、片眼のみに発症した場合、気付きにくかったり、生活に支障をきたしにくかったりするため、発見が遅れることがあります。自宅でも簡単にセルフチェックができますので、ぜひ試してみてください。
格子状の図を使ってチェックします。この検査はアムスラーチャートと呼ばれ、眼科でも使用されますが、自宅でも簡単にできます。

①30cmくらい離れる(眼鏡、コンタクトレンズはつけたまま)。
②片眼ずつ、中央の黒い点を見つめる。
③線が歪んでいないか、中心が暗く見えないか、欠けて見えないか。

放置すれば失明の危険がありますが、検査や治療の進歩により、早期発見・早期治療で良好な視力を維持することができる病気にかわりつつあります。見え方に少しでも違和感を覚えた場合は、すぐに眼科を受診しましょう。

眼科 好中麻世

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