日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院

病院公式ブログ

2024.02.01

医療の知恵

病は気から?

いきなり私事で恐縮ですが、大学生の甥から健康相談がありました。どうやら、胃腸に不調があるようです。「食べるともたれる」「いつもむかむかする」「吐くことがある」「おなかがゆるい」などなど、症状が湧き上がってきます。母親曰く、「この世のおわりみたいな暗~い顔をしているのよ」とのこと。
内科を受診したら、「胃カメラと大腸カメラで検査しましょう」と言われ、「きっと癌に違いない」と落ち込んでしまいました。検査は無事終了し「胃炎が少しある程度でした」というので「良かったね」と返すと、「でもやっぱり症状が続くんです、やっぱり癌じゃないですか」と不安は解消されない様子です。「君は病気になりたいのか?」と言いたい気持ちを抑えてアドバイスしました。
『検査で異常がないってことは、治療の対象になるような病気はないということです。つまり今の症状は、言ってみれば体質によるものです。』ということと、『実は私自身も同じような胃腸で、同じく大学生のころからその症状があるの、君は残念ながら私と似た体質だね、食べる量や食べるもの(ジャンクフードなどは避ける方が無難)に気をつけるという工夫が必要よ。』と伝えました。
後日談です。母親に聞いたところでは、私と同じような体質と聞いて大喜びし、その後普通に食事を摂っているとか。さらに、海外留学したいと言いだして英語の勉強に取り組んでいるとのこと。病は気から?と思った一件でした。

それを踏まえて読者の方にもアドバイス
◎気になる症状があれば検査を受けましょう。
◎検査で異常がなければ、治療の対象ではありません。過剰な心配はしないこと。
◎体質と理解し、生活態度や気持ちの持ちようを変えましょう。 
                                         

緩和ケア科 藤本真弓

                              

このページのトップへ